喫煙と受動喫煙

最近とみに聞くようになった、受動喫煙による健康被害。
日本では毎年1万5千人が受動喫煙が原因で亡くなっているそうです。

喫煙ではなく、受動喫煙で、というところが驚きですね。
タバコの煙が原因で亡くなっているのに、1万5千人の中に喫煙者は一人もいません。
交通事故で亡くなる人は今や年間3千人規模にまで減ってきているので、
もはや車よりタバコの煙の方が危険だということになります。

私自身は喫煙歴はなく、それ故に喫煙や受動喫煙についても
「肺が黒くなるんだよねー」くらいの認識で、ずっと無知のまま
生きてきたのですが、最近はいろんなメディアでこれらの話題が
取り沙汰されていて、自然と様々なエビデンスを目にする機会が増えました。

最初に衝撃をうけたのは、さくらももこさんが逝去された時に知った、
喫煙で乳がんリスクが3.9倍も上がる(受動喫煙でも2.6倍)という話。
肺がんや咽頭がんになりやすそうなのはなんとなく想像できるのですが、
全然関係なさそうな部位のがんリスクが上がるのは衝撃的でした。

調べてみると、肝臓がん、胃がん、膵臓がん、膀胱がん、子宮頸がん等々、
口腔や肺以外でも様々ながんのリスクがあがるようです。

また、がん以外にも脳卒中や緑内障など、喫煙による病気の
リスクアップ例は枚挙にいとまがなく、挙句の果てには
インフルエンザまで喫煙で罹患しやすくなるというエビデンスがありました。

ここまで健康被害が明るみになると、声高に受動喫煙防止が
叫ばれるのも納得ですね。

ところで受動喫煙というと、喫煙している人の横で副流煙を
吸い込むことというイメージなのですが、喫煙直後の喫煙者の
呼気に含まれる有害物質が引き起こす「三次喫煙」というものも
問題であることが最近わかってきたそうで、三次喫煙は特に
妊婦や乳幼児に対する影響が大きいそうです。

喫煙者の呼気から有害物質がなくなるまでには、
喫煙終了から45分以上もかかるそうです。
身近に妊婦や乳幼児がいる喫煙者の方は特に気を付けたいですね。

ちなみに前段で述べた「受動喫煙が原因で亡くなった1万5千人」のうち、
少なくとも73人は乳幼児です(乳幼児突然死症候群による死亡)。
喫煙や受動喫煙は常態化によりリスクが上がるという
先入観が私にはありましたが、そうとばかりも言い切れないようです。

これらを受けて改正された健康増進法が2020年4月より全面施行され、
多くの施設では屋内が原則禁煙となります。

先日訪れたとある飲食店。
「全席禁煙だが、喫煙スペースを別途設けている」とのこと。
入店して注文を終えたくらいで、どこからか漂ってくるタバコの臭い。
周りを見わたすと、入店時には気付かなかったのですが、
入口のレジ前の、混雑時にはそこで人が待つようなスペースが
喫煙所となっていました。

仕切りなどは一切なし。
客層にファミリーが多く、高校生もアルバイトしているようなお店で
こんな杜撰な分煙はよくないですよね。

受動喫煙の危険性に対する認識が、もっと広くに深まることを切に願います。